しあわせを願う時間
大魔法使いでも
大賢人でもなくなり
ひっそりと暮らすゲドの元に
1人のまじない師が訪ねてきます。
このまじない師は
毎夜毎夜
恐ろしい悪夢にうなされ眠れないことに困り果て
相談しに来たのでした。
ゲドはすっかり力をなくていますから
あの手この手で
まじない師を眠らせようとします。
魔法の呪文を唱える訳でもなく。
ただ、彼が眠れるように一晩中そっと身体に触れているだけとか。
そんな数日を過ごす中で
ゲドが割ってしまっていた水差しを
まじない師が魔法で直すくだりがあります。
彼は、壊れた物を直すことを生業としているまじない師だったのです。
たった2語の太古の言葉による呪文を
低く
歌うように
唱えながら
まじない師は
彼の手指で水差しを
さすり、さすり。
それをゲドは好奇心と嫉妬の入り混じったような眼差しで見つめます。
まじない師がばっと両手を広げた時には
完璧な姿を取り戻した水差しが
そこにあったのでした。
私はなぜかこのシーンが好きで。
靴下編みながら
このまじない師さながら
祈りを込めていました。
そんな風にできあがった靴下ちゃんです。
どんな気持ちを込めて編みたいですか?
そのひとときが
どんなに豊かか
一緒に味わってみませんか?
お気軽にコメントくださいね。
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